闇のプリンス ~オオカミと死の女神~《休載中》


「ちょっ、ちょっと…… 」


抵抗する間もなく、食堂を後にすると、足早に校内へ入る。


「どこ行くの? 」


その問い掛けにも答えず、ケイトは資料室のドアを開けると中に引きずり込んだ。


え、えっ?!


ガチャとドアを閉めると、中から鍵をする。


あの……なんか、危ない予感がするんですが……


ジリジリと近いてくる彼から逃げるように、私も後ろへと下がる。


ドンッ

壁に塞がれ、これ以上進めなくなった。


「あ、あの……な、何? 」


ビクビクしながら声を出すと、ケイトはバンッと壁に手をついた。


反対の右手で私の顎を持ち上げる。


き、きやぁ~!///


顔がドアップ過ぎてまともに目が見れない。


「確かめたいことがあるんだ 」


そう言って手を離すと、腕を掴み顔を傾けた。


首筋に柔らかい感触が伝わり、背筋にゾクッと衝撃が走る。


ヤバい…今度こそほんとに吸われる?!