「その5つの力って、伝説に出てきた水とか火のこと? 」
「おそらく、それを探してるんだと思う。だからまた戻って来たんだよ。前みたいに 」
静かに話をすると、私を見た。
「そういえば、初めてルキアに会った時言ってた。“帰ってきた”って 」
昔ここにいたのか聞いたけど、確か答えてくれなかったんだよね。
「じいさんから聞いてた。この辺りはヴァンパイタたちに支配されるようになるって 」
支配って……
「でも、ここだけは譲らなかった。ここは俺らルーガルの敷居だから 」
支配とか敷居とか、難しくてよく分からない。
だけど、やっぱりあまりいい仲ではないってことは分かる。
だから、ルキアと仲良くしてた私を、あまり良く思ってないよね…。
「もしかしたら、本当にここにあるのかもしれないな 」
「あるって、その探し物? もし見つかったら、どうなるの? 」
顔を見上げると、ニヤッと笑ってチラッとこっちを見た。



