「だ、大丈夫みたいです。ケイさんの恐れている方はいらっしゃらないみたいですよ。安心して下さい」
「は、ははっ。ごめんなココロ…。情けない姿を。なるべく意識しないようにしてるんだけど」
「……、もしもし、二人の話している人ってもしかしてヤマトさんじゃ」
「何を言ってるんですか! ケイさん、私のトラウマを笑わず真剣に受け止めてくれたじゃないですか。情けないなんて言語道断です」
「ココロ…」
「ちょ、もしもし。ヤマトさんは今日一緒じゃ」
「そ、それに私が一緒です。
もしこの場にいらしゃっても二人で乗り切りましょう。ひとりじゃ無理でも、人数が増えたら大丈夫です。私がそうでしたもん」
「そうだな。そうだよな。
今は黒髪青メッシュ不良が怖くても、いつかは乗り越えられるトラウマだよな。俺、頑張るよ。ココロ」
「はい。私、全力で応援しますから!
私だって乗り越えられたんです。ケイさんだってきっと乗り越えられます!」
お互いにガッシリ手を取り合って俺達は目で笑い合う。
なんか勇気を貰った気分だ。
そうだよ、いつまでも過去という名のしがらみに縛られちゃいけないんだ。
俺もいい加減に乗り越えないと、日賀野不良症候群から。
大丈夫、ココロだってこうやって励ましてくれるし、ヨウから魔法の呪文だって貰ったんだ。
日賀野を見かけたら唱える呪文、『犬っころブッコロしゅん』これを唱えたら何となく自分が強くなった気がするんだ。
いや、相手の嫌味ったらしい面影が弱まるっての?
とにもかくにも励ましと呪文を糧に頑張る。
田山圭太、負けない! 日賀野不良症候群から脱してやるんだぜ!
「絶対に乗り越えてみせるから!」俺の強気宣言に、
「頑張りましょう!」ココロは満面の笑顔。
蚊帳の外に放り出された第三者は「……」なんだけど、俺達は気付かず目尻を下げた。これぞ二人の世界ってヤツだ。



