「えーっとお会計は280円…、えーっと、えーっと」
お財布の中身をガサゴソと漁っているココロは、「あ。」130円しかないと口をへの字に曲げている。
既にお会計を済ませていた俺はトレイを持って彼女の隣に並んでいた。
「ないの?」
俺の問い掛けに、うんうんとココロが首を縦に振る。
小銭は沢山あるんだけど十円玉、五円玉、一円玉が大半を占めているらしい。
「全然ないんですよ」
躊躇いもなく財布の中身を見せてくれるココロの財布を拝見。
……ちょっと彼女のお財布光景が奇妙だった。
だって小銭入れの片方に小銭が寄ってる。
ジャラジャラあるってのに、なーんで一つのスペースしか使わないんだ?
二つ小銭スペースがあるんだから両方使えばいいのに…、それに…、あり? あるじゃん。
小銭入れの片方に150円が。
何故か隔離されている150円に疑問を抱きながら、俺はココロに150円あるじゃんと指摘。
そしたらココロ、「これは駄目です!」大きく首を横に振るや否や、小銭スペースを閉じて千円札を取り出した。
え、なんで使わないんだ?
誰かからか借りてるのか? その150円。
ハテナマークを頭上に浮かべる俺は、お釣りを貰っているココロが余裕のない小銭スペースにお釣りを入れ込んでいる光景にますますクエッション。
どうやら隔離している150円と小銭をごちゃ混ぜにしたくないみたいなんだけど…。
席に着いた俺は早速素朴な疑問をココロにぶつけてみる。
なんで持っていた150円を使わなかったんだ? って。
すると向かい側に腰掛けたココロは、身を小さくして頬を赤く染めた。
「だ…大事なものなので」
「隔離していた百円玉と五十円玉が? どれも同じ価値だろ?」



