青騒-I SAY LOVE-



◇ ◇ ◇
 
 

「―――…面白かったですねケイさん。
すっごく青春って感じでっ、マネージャーさんが野球部をあんなにも纏めるなんてすっごいですね。

グッスン、思わずうるっとくるところもありましたし」


「グッスン、ほんとにな。はい、これ、ティッシュ」

 
ココロにポケットティッシュを差し出した俺は、それを受け取った彼女と揃って目元を拭った。


ああ、マジいかんよな。

どーして俺ってこうなんだろうな。


映画に誘うって決めた時点で腹は括っておかないとっ! って思ってたんだけど、やっぱりやっちまったんだぜ。

ふっ、田山圭太はやっちまったんだぜ。


俺、田山圭太はあろうことに初おでーとで彼女と一緒に映画を観て感涙。

持参していたハンカチとティッシュで涙(と鼻水)を拭うことになるなんて!


映画とかドラマになると駄目なんだよなぁ、すぐに感情移入しちまうから。


前にヨウ達と一緒に映画を観に行った時も、俺、目がウルウルのボロっ。

舎兄には盛大に呆れられたっけ。



でもでもでも、そんな俺でも今日は心に決めてたんだぜ?!


今日はぜぇえって泣くもんかっ!

彼女が泣いたら慰めに入るんだって心中に決めてたんだぜ?!

ココロが泣いたらさり気なくハンカチを渡してやるって、傍から聞いてりゃキモイであろうイメージトレーニングまでしてきたのにっ、一緒に泣いたら意味ねぇだろーよ!


格好つかねぇ!


……地味が格好つけるな?


いや、そりゃ差別だから!

地味だども俺だってカッコイイ立ち振る舞いをしてーでごぜぇーますよ!