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「―――…面白かったですねケイさん。
すっごく青春って感じでっ、マネージャーさんが野球部をあんなにも纏めるなんてすっごいですね。
グッスン、思わずうるっとくるところもありましたし」
「グッスン、ほんとにな。はい、これ、ティッシュ」
ココロにポケットティッシュを差し出した俺は、それを受け取った彼女と揃って目元を拭った。
ああ、マジいかんよな。
どーして俺ってこうなんだろうな。
映画に誘うって決めた時点で腹は括っておかないとっ! って思ってたんだけど、やっぱりやっちまったんだぜ。
ふっ、田山圭太はやっちまったんだぜ。
俺、田山圭太はあろうことに初おでーとで彼女と一緒に映画を観て感涙。
持参していたハンカチとティッシュで涙(と鼻水)を拭うことになるなんて!
映画とかドラマになると駄目なんだよなぁ、すぐに感情移入しちまうから。
前にヨウ達と一緒に映画を観に行った時も、俺、目がウルウルのボロっ。
舎兄には盛大に呆れられたっけ。
でもでもでも、そんな俺でも今日は心に決めてたんだぜ?!
今日はぜぇえって泣くもんかっ!
彼女が泣いたら慰めに入るんだって心中に決めてたんだぜ?!
ココロが泣いたらさり気なくハンカチを渡してやるって、傍から聞いてりゃキモイであろうイメージトレーニングまでしてきたのにっ、一緒に泣いたら意味ねぇだろーよ!
格好つかねぇ!
……地味が格好つけるな?
いや、そりゃ差別だから!
地味だども俺だってカッコイイ立ち振る舞いをしてーでごぜぇーますよ!



