さっきワタルさんは私に言ってくれた。
焦らず現実を見つめて答えを出せばいいんじゃない? って。
ああ見えてワタルさんは仲間思いで優しい人。
私が自分の気持ちに収拾つけず、身悶えているところを偶然にも発見したから、あんなアドバイスを私に寄越してくれたんだと思う。
だから私は現実を見つめる。見つめ続ける。
不良達に交じって和気藹々とゲームを楽しんでいる彼の姿を。
その目立たない身形から、不良の舎弟として周囲から悪評ばかり貰っている彼。
だけど逆境にも負けず、時には屈してしまうこともあるけれど、必ず最後には立ち上がって舎弟として日々を過ごしてる。
そんなケイさんに、私は確かに強い憧れが芽生えている。
ヨウさんや響子さんとは別の憧れを抱いている。
憧れ…、だけなのかな。
私は現実を見つめながらグルグル一人で思案していた。
不思議と心拍数は上がっていくけれど、敢えて無視することにした。



