「―――…響子さん響子さん。どうして私とケイさんって、こんなにも違うんでしょう?」

「ん? 藪から棒だな。いきなりどうした?」


とある平日の四時限目。
 
私は響子さんと一緒におサボリという悪い時間を過ごしていた。

サボった私達がいる場所は駅前の喫茶店。

白昼堂々平日のお昼前に喫茶店に足を運ぶなんて…、響子さんと一緒じゃなかったらできなかったこと。

片隅で悪いことをしている自覚はあるけれど、響子さんべったりの私だから、誘いを断るわけも無く一緒におサボリ。
 

それだけ私にとって響子さんの傍は居心地が良かった。


シズさんも一緒に来られたら良かったんだけど、彼のことだから教室の一角でグースカグースカとお昼寝をしているに違いない。

いつだってシズさんは寝て食べる寝て食べる、寝る寝る寝る、食べる食べる食べる、のサイクルを繰り返しているから、今頃おやすみモードだろうなぁ。
 

閑話休題、私は唇を尖らせて、くるくるっとストローでグラスの中身を掻き回した。


透明なグラスの中では氷と一緒にミルクティーがゆらゆらと渦を描いている。


「だってケイさんと私、こんなにも違うから…、なんだかヘコんじゃって」

「ココロ、ちっとも話が見えねぇぜ? ケイと何を比べてるんだ?」

 
「系統のお話です」私の言葉に、「んん?」ますます響子さんの眉間に皺が寄る。混乱させちゃったかな?
 

だから私は位置から説明することにした。最近心中に思っていることを。

私とケイさん、不良グループの中では見るとお互いに浮いた存在で異色の存在。


だけどケイさん、日々舎弟としてヨウさんに見合おうと陰で努力している。

昨日もケイさん、「ヨウのせいで喧嘩が飛び火してきた」って嘆くわりには、舎兄を自転車に乗せて喧嘩を吹っ掛けてくる不良達から逃げたって言ってたし。


その前はヨウさんを自転車に乗せたまま、軽く喧嘩してきたって言ってたし。