後日知った話。

 
三ヶ森響子さんは自身が言っていたように、確かに学校内では浮いた存在であり、あまり宜しくない噂が生徒内で飛び交っている人だった。

クラスメートから盗み聞いた話に寄ると、中学時代に誰彼構わず、それこそ初老サラリーマンと一夜をして金を取っていたとかいなかったとか。

しかも地元で有名な不良達とつるんでいるものだから、何かと近寄りがたい存在だとか何とか。

学校にとっては凄くメーワクな存在だって小耳に挟んだ。


でも私とって響子さんはそういう極悪非道な人には思えなかった。


だって彼女は私と出逢ってから毎日のように昼食を取ってくれる、話し相手になってくれる、気さくで面倒見の良い、素敵な不良さんだったから。


響子さんは自分の言った言葉には責任を持つ人みたいで、出逢いを境に毎日体育館裏で私のことを待ってくれるようになったのだ。 


本当のお姉さんみたいな人で、お弁当と水筒を持参して彼女の下に駆ける私に「コケるなよ」と注意しては笑顔を向けてくれる。
 
イケナイことだけど携帯を持ってきて、響子さんとメアドを交換した。

殆どお友達とメアド交換したことなかった私は赤外線昨日に悪戦苦闘したけれど、響子さんが懇切丁寧にやり方を教えてくれた。

それだけでなく響子さんは女性誌をよく買う人で、私は横からよく覗かせてもらっては彼女に芸能人や流行について教えてもらった。


お化粧・ファッションなんてチンプンカンプンの私に、


「してみりゃ可愛くなるって」


ウィンクして今度一緒に服を買おうと約束した。


こんな根暗後輩をよく可愛がってくれて、ちょっとしたクヨクヨも彼女に話せば解決。

すぐ笑顔が零れた。