―――…若松こころの“こころ”はねぇ。



こころのお父さん・お母さんが、心強く優しい人なりなさいって願いを込めて付けた名前なんだよ。


こころ、


自分の名前に誇りを持ちなさい。


そうやって自分を卑下するばかりじゃなくて、自分を褒めることも大事なんだよ。


ウジウジオドオド泣いたって一緒、だあれもこころを褒めちゃくれない。

まずは自分を褒めて優しくしてあげること。いいね?




そう、ばあばが言ってくれたある台詞―――…。



当時の私には受け入れ難い台詞だったけれど、今の私ならちゃんと受け止められる。


ねえ、ばあば、じいじ。

私ね、今の私が好きだし、名前にも誇りが持てるよ。


お父さん・お母さんに顔合わせできるくらいに。



今なら私の名前にありがとうって素直な気持ちで言える。