どんだけ心配掛けたか分かる涙の量。
俺はごめんと謝罪し、心配掛けたことを繰り返し詫びた。
抱き締めてあげたかったけど、体が言うことをきかないから撫でる行為で許して欲しい。
初めて好きな人を泣かしてしまった罪悪に苛んでいると、またしても病室に訪問者が。
母さんだ。見舞い客と泣き声にすこぶる驚いている様子。
「まあ」何かあったの? 騒然としている病室に呆気取られている母さん。
響子さんと弥生は、俺の母さんに挨拶し、俺達には他の仲間の見舞いに行ってくると言って退散してしまった。
ちょ、この状況で退室とか気まずいこと極まりないじゃないか!
こういう騒動は女子の方が説明上手いっしょ!
狼狽する俺を余所に、号泣するココロはいつまで経っても泣き止まない。
布団に顔を埋めてずーっと泣いている。
「まあまあ」
圭太がなにかしたの?
母さんはちょっと慌てた様子でココロに歩み、彼女の肩に手を置いた。
んで俺にジトーッと視線を向けてくる。
そんな目で見ないでくれよ、母さん。
俺は悪く、ないわけじゃないんだけど、その、母さんが思うようなことはしてないよ! よ!
焦る俺の一方でヨウがやんわりフォローしてくれる。
「おばちゃん。その子、ケイのことをすっごく心配してたんだ」と。
目を丸くする母さんは、「圭太を?」庸一くんをじゃなくて? と、これまた失礼なことをほざいた。
どういう意味だよ、それ。
そりゃヨウの方がモッテーだけど、だけどさ。
……てか、あ、そういや俺、まだ。
「何言っているんだよおばちゃん。その子、ケイの彼女だぜ? そりゃあ心配して泣くだろ?」
「かのじょ? ……圭太の彼女?!
圭太、貴方いつの間に彼女なんて作ったの?! そんな話、これっぽっちもっ…、ああ、泣かないで。圭太なら大丈夫だから。息子を心配してくれてありがとうね。本当にありがとうね」
母さんの慰めと俺の撫でる行為によって、ようやくココロが落ち着きを取り戻す。
グズッと鼻を啜るココロにティッシュを寄越してやると、それで涙を拭う。
スツールに腰を掛け、何度もティッシュで涙を拭うココロが落ち着きを取り戻した頃、母さんが彼女の名前を聞いた。
名を知った母さんはどうして母さんに紹介してくれないの、と俺を責め立ててくる。
ヨウはヨウで「秘密にしてたのかよ」と茶化してくるし。
ううっ、俺の居心地悪過ぎる!



