言葉が見当たらない、頭を掻くヨウさんに私は一思案。
そして手を叩き、「相棒ですね」とリーダーを見つめる。
「それだ!」
スッキリしたとヨウさんは指を鳴らし、まさにそれなのだと私に微かに頬を崩した。
「俺はケイを相棒だって思っている。だから、こんなところで倒れられちゃ困るんだよ。マジ…、俺との約束があんのにっ。
―――…困るんだよな、ケイまで離脱されちゃ。あ…悪いな、ココロ。つまらねぇ話を聞かせちまって。ケイを頼む。俺はやることがあっから」
起きたら一報寄越してくれ、また様子を見に来るから。
そう言ってヨウさんは退室してしまう。
背を見送った私はソファー側のスツールに腰掛け、「相棒か」なんだか羨ましいなぁっと笑声を零す。
男の子にしかできない、作り出せない、築かれない友情を見せ付けられた気分。
私とケイさんじゃきっと無理だと思う。
私と弥生ちゃん、響子さんの関係をケイさんと生み出そうとしても無理なように、私とケイさんじゃヨウさんとケイさんのような友情は生み出せない。
舎兄弟ってそれだけ二人にとって特別なものなんだろうなぁ。
何事もなかったように眠りに就いているケイさんに綻び、私は彼の手を取って優しく握る。
一回り大きい手を見つめ、指を絡め、何事もありませんようにと彼の寝顔を見つめる。
もし何かあるなら、すぐ病院に。
大丈夫、私は何があってもケイさんの傍にいる。
ケイさんが私の傍にいてくれたように、私も彼の傍にいる。
「ケイさん」
手を頬に寄せ、私は大好きな人の名前を紡いだ。
微かに動く指はそれ以上、動くことなく、静かに指の腰が曲がっている。
私は誰も見ていないことを良いことに(ちゃんと部屋を二度も渡した)、音なく腰を上げて彼の前髪を掻き分ける。
そしてその額に唇を落とした。
さっきのお返しだ。
ひとりで照れ笑いする私は、「大丈夫ですよね」眠っている怪我人に声を掛けた。勿論応答なんてなかった。



