だってあそこで顔を近付けられたら、期待しちゃうと思うんですけど。
私、空気の読めない鈍ちゃんじゃないですし、そ、その、泣いた直後で決まりは悪いですけど、シたいんですよ。
女の子として、その、ケイさんが仕掛けようとしていたキス。
だから我が儘を言ってこれじゃあ嫌だと言って見せた。
唸るケイさんは我慢したのにココロのせいで、とブツクサ文句を零し、そして荒々しく腕を引いてきたと思いきや片手を柔らかな頬に添えて唇を重ねてきた。
それは一瞬だったのか、それとも数秒、間があったのか分からない。
でも私はケイさんとファーストキスを交わした。
添えられている手に手を重ねて、彼とキスを交わしたんだ。
まるで夢みたいな時間。
そっと唇を離すと、ケイさんは気恥ずかしそうに頬を掻いて私をチラ見。
同じ顔をする私に一笑し、「ファーストキスは涙味」とおどけてきた。つい笑ってしまう私がいた。
ほんと、ケイさんには元気を貰ってばかりだ。
そんな彼に、私は卑屈じゃない決意表明を零した。
「焦らず…強くなっていきたいと思います…。古渡さん…負けたくないです…。でも…、ヒトリじゃむり…、だから、傍…いて…下さい」
するとケイさんはご機嫌にこう答える。
「頼まれなくてもいるよ。ココロの傍にいる。だから、俺がどうかなった時は傍にいてくれな」
―――…はい、勿論。
私はケイさんに満面の笑みを浮かべ返事した。
傍にいればいるほどケイさんにのめり込む自分がいる。大丈夫、私はまだ頑張れる。こんなにもケイさんに励ましを貰ったんだから。
時には傷付いて自分を見失うけれど、きっとケイさんや仲間が私を支えてくれる。
もう少し仲間を信じてみよう。
私が一緒にいたいと思ったチームを、もう少し信じてみよう。
大丈夫、ケイさんや皆がいる、ケイさんがそう言ってくれたんだから、きっと大丈夫なんだ。



