「…被害妄想が出てきて…、苛められるって…思って…、卑屈になる私がいて…、情けなかったんですっ…。強くなる…、決めたのにっ。ケイさんと…、全然…釣り合わない…」
もう卑屈と罵られてもいい。
これ以上の醜態を見せてしまうなら、いっそケイさんに嫌われてしまいたい自分がいる。
落胆されてしまうくらいなら、もういい。
嫌われてしまっていい。
だって変われていないんだもの。あんなにケイさんに見合おうと頑張っていたけれど、ケイさんはチームのため、舎兄のために我武者羅に走って走って走って。
対して私は頑張ろうと口ばかり。私は何を頑張れている? 何も頑張れていないじゃない。何も。
ちっとも変われていない自分に自己嫌悪、卑屈になる自分に自己嫌悪、過度な被害妄想を抱く自分に自己嫌悪。
すべてに自己嫌悪していると、「それで?」ケイさんが他にはないのかと、意外な言葉を掛けてきた。洟を啜って私はぶちまけるだけぶちまいた。
「変われていないから…、響子さんにも、弥生ちゃんにもっ…、チームに迷惑かけて」
「うん」
「ケイさんにも迷惑かけて…」
「うん」
「弱いし、意気地なしだし…、卑屈だし」
「うん」
一つ一つに相槌を打つケイさんの優しさに甘えてしまい、私は思いつく限りの嫌悪を相手にぶつけた。
やがて吐き出す嫌悪も見つからなくなって、私はケイさんの反応を窺う。びっくりした。
だってケイさん、あどけなく笑っていたから。
「もう吐けるのないな?」
吐けるだけ吐けたか? 問い掛けに頷くと、よーしよしと一笑してぐしゃぐしゃに頭を撫でてくる。
もっと驚いてしまう私に、
「俺はココロを嫌ってあげません。あげられません」
心を見透かしているケイさんはおどけてきた。
寧ろ、卑屈になりたい時はなればいい。誰だって卑屈になるんだから、と彼は優しさばかりを向けてくる。
「ココロ、卑屈になりたい時はなればいいさ。そうやって弱音を吐いて、吐くだけ吐いたら、前を向けばいい。ココロはひとりじゃない。
前を向けば、俺や響子さん、仲間が待ってる。皆、ココロを必要としてる。忘れないでくれな、ココロは必要とされてるんだ。何よりも…アー、俺にな」
じわっと涙が込み上げてきた。
誰かに必要とされている。
ううん、ケイさんは卑屈の私を受け入れてくれている。
それが分かるから涙が込み上げてくる。
どうして卑屈になる私を受け入れてくれるのか、相手に訪ねるとケイさんは笑みを深める。



