「ケイさん。私もできます? ゲーム」

「やってみる? 皆で楽しめるホームパーティー用ゲームもあるんだ。ちょい待ってて」


ゲームに興味があるわけじゃないけれど、ケイさんがやっているものには興味がある。

彼氏のことを知りたいって思うのは、彼女の我が儘かな?
 

短くなった髪を耳に掛け、準備をするケイさんに綻ぶ。


セミロングからショートヘアになった髪、私はこの髪が大好きだ。

だってケイさんがショートヘアの女の子が好きだと言っていたから。


ううん、それだけじゃない。

私はケイさんの見合う女の子になろうと決意して、決意して、けついして、髪をバッサリ切った。


軽くなった髪とは反比例して、その気持ちは重く固いものだった。
 

荒川の舎弟として自転車を飛ばしている、彼に見合う女の子に、あの頃、どうしてもなりたかったんだ。どうしても。
 


⇒№04