「結局勝ち負け関わらず相手を見てる俺がいるんだ。
気にしない振りをしようとしても、あれれ? いつの間にか相手のことを考えちゃってる俺? みたいなカンジ。何気ない仕草に振り回されてるっていうのかなぁ。どーしても何かせずにはいられないから。
勝てそうになくても、最近…気持ちを伝えようかなって思う俺がいるんだ」
「ケイさん?」
「何でかな…、今までの俺だったら、きっと行動を起こそうと思わなかったのに」
でもな、何もしないで終わりたくない俺がいるんだよ。往生際がワルイコトに。
ヨウ達と出会ってから、負けず嫌いっつー厄介な面が俺の中で見え隠れしてるんだ。
どうしてもこれでおしまいにしたくないんだ。
どうせならスッキリフラれて、失恋をヨウに慰めてもらって、これからもイイオトモダチでいましょう的に仲良くしていきたい。
こう思っている俺って、随分考え方が成長したよ。
今までだったらムリの一言で終わって、自然と気持ちを消そうとしていたのにさ。
「恋愛に対しては消極的だったんだけどさ。
ちょっとだけ積極になってみようと思ったんだ。フラれたら舎兄がラーメン奢ってくれるって言ってくれてるし」
淡々と胸の内を明かしてくれるケイさんの横顔は晴れ晴れとしている。
怖くない、のかな、相手に自分の気持ちを伝えること。
私だったら無理、絶対に無理。
気持ちを伝えたら迷惑だと思われそうだし、今までの関係が崩れてしまいそうだし、イイオトモダチでいましょうなんて空気、醸し出すことも出来なくなると思う。
臆病で卑屈な私だから、傷付きたくない相手のことを裂けまくりそう。
「ケイさんは…、本当にお強いですね。私だったら恐くて気持ちなんて伝えられません…、相手に迷惑になるんじゃないかって思ってしまって」
「んにゃ、俺だって恐いよ」
「じゃあなんで…」
「俺がカッコつけ、だからかもしれない」
ケイさんはここ一番の笑顔を見せてくれる。
その笑顔にときめきを覚えたのは、私の気のせいじゃない。



