「俺…、弥生のこと友達としては好きだよ」



―――…その時のケイさんは初めて見る表情を浮かべていました。



「弥生ってお喋りが好きだからさ、調子乗りの俺に合わせてくれて、結構一緒にいること多い」


―――…いつもの調子ノリもないケイさん。



「でも弥生のことはそういう対象で見たことないんだ」


―――…いつになく真剣なケイさん。



「ハジメがいるってのもあるし、俺自身、良いお友達感覚。そういう好きじゃないんだ」


―――…真っ直ぐ私の目を見る瞳は緊張を宿していました。




「俺の好きな人、弥生じゃないんだよ」


―――…じゃあケイさんの好きな人は…、好きな人は…、誰。