「テメェは立派な俺のチームメートだ。自信持てよ」
―――…その時のココロの笑顔は、まるで花咲くよう。心の底から零れた笑顔だった。
妙に息苦しい感覚を覚えながら、俺は自嘲を零す。
ヨウは凄いよな、ああやってちゃらんぽらんしてるようで皆のこと、よく見てる。
気付かなかった、ココロが落ち込んでいたなんて。
んでもってそれを一目見て分かるヨウは凄い。凄いな。敵わないよ。
……ほんと、敵わない。
「ったく、ちっさな悩みでも誰かに吐いた方がいいぜ?
案外、人に話せばすんなりと解決するんだからな。チームメートだったら誰でも気軽に聞いてくれると思うぜ。俺はこのチームが好きで居場所だから、誰であれ落ち込んでる姿、見たくはねぇんだ」
「ふふっ、ヨウさんってやっぱりリーダーですね。憧れます、気遣ってくれる面。そういうところ、好きですよ私」
反射的に俺は踵返した。
これ以上、これ以上聞いちゃ駄目だ。
これ以上聞いたらっ、二人の領域には足を踏み込めないし、折角ココロがヨウに気持ちの一部を告げてるんだ。
間接的に好きって言ってるんだ。
邪魔しちゃ悪いじゃないか。
それにこれ以上聞いたら、俺の方が落ち込んじまう。
早足で倉庫に戻ると、シズと駄弁っていたモトが俺に気付いた。
「あれ? ヨウさんいなかったのか?」
問い掛けに、
「お取り込み中だったよ」
曖昧に笑って、肩を竦めた。
もう少ししたらヨウのところに行くよ、言葉を返して俺は窓辺に向かう。醜い感情が心中でぐずぐずに疼いている気がした。
「……、ケイ?」
なんかあったのか、モトの言葉は残念な事に俺の耳には入らなかった。
ふうっと息をついて窓枠に両肘を乗せる。
気持ちが荒んでいるのが分かる。明らかに俺はヨウに嫉妬していた。
一目で彼女の状態を見透かしてしまうヨウにすっげぇ嫉妬していた。
何より、間接的にでも好きって言われてるあいつに眩暈を覚えるほどの嫉妬と羨望を抱いた。



