駅広場で暫く時間を過ごした後、私達はたむろ場に…、と、その前に病院に向かった。
旨は響子さんに伝えているから少しくらい時間が遅れたって大丈夫だと思う。
ケイさんに付き添う形で病院について行った私だったんだけど、それにしてもケイさんには申し訳ないことをしちゃった。
だって、病み上がりのケイさんに自転車を漕がせちゃったんだもん。
しかも私を後ろに乗せて。
最初こそ遠慮したんだけど、
「時間は惜しいだろ?」
また不良が襲いに来るかもしれないし、なんて言われたら何も言えず…、渋々と彼の自転車に乗せてもらう羽目になった。
私が自転車を漕いだらいいんだけど、逆にケイさんに気を遣わせちゃいそうで。
ううっ、申し訳ないです。ほんと。
病院に着いて受付を済ませた私達は、待合室で待機。看護師さんに呼ばれるまで静かに待つことにした。
だけど話し相手がいるのに黙っているのも気まずいものだから、私はケイさんに「本当に大丈夫ですか?」と声を掛けた。
体温計を脇に挟んで熱を測っているケイさんは平気へいき、と笑ってくれるけど、怪しい。顔が妙に赤いし。
ピピッ―、あ、体温計が鳴った。
「どれどれ」ケイさんがまず体温計を確認。
「何度だったんですか?」私の問い掛けに、ちょっと間を置いた後、「平熱かな」さっさと看護師さんに渡そうと腰を上げる。
その行動が怪しくて、私は素早く腰を上げるとケイさんの持っていた体温計を瞬時に奪った。
不意打ちにケイさんは「ゲッ」声音を上げたけど無視、私は体温計と睨めっこした。で、本当に眉間に皺が寄ってしまう。
「……、ケイさん、嘘は良くないです。これのどこが平熱ですか? 七度七分ですけど」
「仕方が無い、ココロにだけ田山の秘密のひとつをお教えしよう。
実は俺の体温、すーっごく高いんだ。田山圭太の体温はいつだって人並み以上なんだぜ。容姿その他諸々は人並みだけど」
「ケイさん…」
「……、はいすんません。調子に乗りました。ちょっち熱がぶり返ったみたいです」



