「俺もさ、結構涙もろいからよく持ってるんだ。これ、役に立つだろ? あ、涙もろいことは秘密な」
ニッと笑い掛けてくれるケイさんに、私は泣きながら、思わず笑声。
ポケットティッシュを受け取って、スンスン洟を啜る。
少しだけ涙が引き始めた頃、ケイさんは私の腕を引いて近くのベンチまで誘導。私を座らせた後、
「ちょい待ってな」
駆け足で何処かへ走ってしまう。
もしかして泣いちゃったから呆れられた?
なんてネガティブになる私だったけど、すぐにケイさんは戻って来た。
手にはレモンティーの入ったペットボトル。
泣いている私のために、わざわざ買って来てくれたんだ。
それはケイさんにとって、友達としての優しさを私に向けてくれているんだろうけど、私にとっては一々意識してしまう優しさ。
「ありがとうございます」
申し訳なさでいっぱいになりながらも、ケイさんからペットボトルを受け取る。
蓋を開けて喉を潤すと、紅茶の甘味が口内いっぱいに広がって不思議と涙が引いた。
完全に落ち着きを戻した頃、ケイさんは私の身の上の無事を再確認。
大丈夫だと返して私はケイさんの具合を尋ねた。
曰く、ケイさんは病院に向かう途中だったらしく、偶然にも不良に絡まれている私を見掛けて助けに来てくれたみたい。
平熱まで下がったらしいんだけど、まだケイさん、心身ともに本調子じゃ無さそう。
どことなく表情に陰りがある。
更に話してみるとケイさん、まだチームに顔を出すつもりはないみたいで、私をたむろ場近くまで送ってくれたら病院に直行してそのまま帰宅するとか。
……ケイさんがそれを望んでいるなら、私自身何も言えないけど、でも…、なんかケイさん、チームの皆と一線置こうとしている気がする。
チームに迷惑を掛けたって自覚があるからかもしれない。
だから言う。



