「って言っても、さっきまでちょっと疑心を抱いちゃって…、キヨタさんのおかげで迷いが吹っ切れました。
ありがとうございます。私、真っ直ぐ憧れの人を信じられそうです。キヨタさんにお礼を言いたかったんですよ」
するとキヨタさん、照れたように頬を掻いて「俺っち何もしてませんよ」弟分として思ったことを言っただけだと目尻を下げる。
「俺っちだって」
不安が無かったわけじゃないっスよ、キヨタさんは次いで吐露を零した。
音信不通の兄分のこと、心配だし、もしかしたら…という不安も当然あった。
けれど、弟分が信じてやらないでどうするのだと自身に言い聞かせていた。
キヨタさんは晴れ晴れとした顔で、得意気に口角をつり上げる。
「俺っち、モトの背中を見てきました。何があってもヨウさんを信じて、真っ直ぐ追うその姿は凄い。
例え、舎弟を作ってもモトはヨウさんを兄分として選んだ。
強いっス、俺っちの親友は。
俺っちもあいつのようになりたい。
例え、向こうのチームに寝返るかもしれないって周囲から疑惑を向けられても、俺っちは今の兄分を信じていきたいんっス。
自分で選んだ上に、自分から弟分にしてくれって志願したんっスから、それくらい当然だと思ってますっス」
「キヨタさん…」
「そう思う俺っち、おかしいっスかね? ココロさん。おかげでチームへの協調性がない自覚はあるんっスけど」
ポリポリと頬を掻いて語り部に立つキヨタさんに綻ぶ。
「いいえ」
とても素敵なご覚悟だと思います、私の嘘偽りない返答に上機嫌になるキヨタさんは、弟分として頑張りたいのだと高らかに宣言。
今は弟分にならせて下さいと弟子入りしたような状態だけれど、いつかちゃんと認められて弟分に。
そして舎弟になりたい。
尊敬する人の舎弟になりたい。
キヨタさんは一点の曇りもなく胸の内を明かしてくれた。



