(ケイさん、大丈夫かな)
たむろ場に戻った私は、追試組の不良さん達に問題を教えながら彼の身の上を心配していた。
とてもとても動揺していたケイさんが、チームからヒトリ抜けて何処かへ行ってしまう。
多分、ケイさんのことだからケンさんと一緒なんじゃ…、二人で話し合っているのかもしれない。
お互いに対峙しているチームに身を置いていることについて。
心配に心配を重ねて、更なる心配を胸に抱いていると、
「なあ…」
ヨウさんがおもむろに声を掛けてきた。
もしかして勉強で分からない点でもあるのかな、「どうしたんです?」訊ねれば、ヨウさんは持っていたシャーペンを放って真っ直ぐ私の方を見つめてきた。
首を傾げる私に、ヨウさんは間をたっぷり置いて聞く。
「ケイになんかあったのか?」と。
「俺さ…。目の前のヤマトのことで手一杯だったからチーム内をよく見てなかったんだけど…、ケイの奴、途中から様子がおかしかっただろ。
なんか、ヒトリで背負い込んでるような顔してたし。あいつの悪いところが出てるような気がしてな」
ヨウさんの問い掛けに、私はオロオロと視線を近くにいた弥生ちゃんやキヨタさんに流した。
ケンさんのこと安易に公言していいかどうか分からなかったんだ。
けど、「向こうのチームにダチがいたんっスよ」即答でキヨタさんが公言。
「すっごく仲が良かったダチがいたみたいで…、ケイさん、それにショック受けていたんっス。知らなかったみたいなんっスよ、日賀野チームにダチがいたこと」
「ケイのダチが向こうに?」
「そうっス。ケイさんは大丈夫って言ってたんですけど、あれは誰がどう見てもヘコんでたっス。今頃はダチのところに会いに行ってるのかもしれないっス」
神妙な顔で語るキヨタさんに、ヨウさんはまたたっぷりと間を置く。
次いで、掻いていた胡坐を解いて立ち上がった。
「ちょいケイに会ってくる」



