『響子さんの番号だよな、これ。なんでココロが』
「あ、その、響子さんの携帯をか…借りまして」
ギューッとその場で身を小さくしてしまう私、意識をして話せば話すほど心臓が破裂しそうな感覚に陥った。
そんな私の気持ちなんて露一つ知らないケイさんは能天気に、なるほどと相槌。
『だからか。響子さんの番号なのにココロが出るから驚いた。
…って、そうだ、ココロ。
前々から思ってたんだけど俺、ココロの電話番号やメアド知らないんだけど、聞いてないよな? できれば教えてもらいたいんだけど』
―――…。
私は自分の気持ちに気付いてしまった。
だってケイさんのお願いに感極まって泣きたい自分がいたから。
きっとケイさんにとって、一友達として番号とメアドを控えておこうという魂胆だと思う。
私もそういう気持ちで彼の番号とメアドを控えておこうと思っていた。
つい数時間前までそう思っていた。
だけど、何かしらケイさんが私のことに興味を抱いてくれている。
それこそ些少なことだけど、私のメアドという小さなことだけど、興味を抱いてくれている。
その現実がとてもとても嬉しかった。
馬鹿みたいにはしゃぎたい自分がいた。
「私も教えて下さい」
私は自然に笑顔を零して返答。
次いで、今からファミレスに来れるかと質問。今ファミレスにいるのだけれど、人数を増やそうと思ってメンバーを集めているのだと告げた。
そしたらケイさん、
『んじゃゲーセンにいるメンバー全員に声掛けてくるよ』
ちなみに俺は行くから、と返事。
また後で、彼はそう言って電話を切った。
高鳴る鼓動をそのままに、私は携帯を折り畳んで響子さんに手渡す。



