携帯から声が聞こえたから、私は急いで電話に出る。
『響子』
どうしたんだ、と眠そうな声で呼び掛けてきたのはシズさん。
最初にシズさんを選んだのは、きっと私と彼が同校生でわりと喋る仲だから。
お友達として結構一緒にいること多いから、ふとした拍子に異性として意識してもおかしくはないと思う。
私は深呼吸をした後、「もしもし」シズさんに返事。
『ココロ?』
なんで響子の携帯でココロが?
疑問の声を漏らすシズさんに、誤魔化し笑いを零した後、今からファミレスに来れるかと質問。女の子、三人でお喋りしていたんだけれど、人数を増やそうと思いまして。
適当な理由付けにシズさん、『ご飯食べたい』だからすぐに行くと即答。
一方的に電話を切られてしまった。
シズさんらしいといえばシズさんらしい。
苦笑して、私は携帯を響子さんに返す。
「今から来るそうです。シズさん」
「あいつらしいぜ。んじゃ、次。よし、此処で問題のケイにいってみっか」
「え゛」もうケイさんにいくんですか、オロオロオドオドと挙動不審になる私にニィッと口角をつり上げて、響子さんが携帯を手渡してくる。
コール音が携帯機から聞こえる。それだけで心臓バックバクだった。
ど、ど、どうしよう。
ケイさんに電話…、うー…っ、最後だと思ってただけに、心積もりができて『ケイです。もしもし?』あああっ、きたよぉおお!
手に汗握りながら、私は携帯を耳に押し当てる。声を振り絞って、「も、もしもし!」上擦り声で向こうに返事。
『あっれ?』ケイさんは間の抜けた声を出してきた。



