幕末怪異聞録





そんな灰鐘に違和感を感じた梅は、顔を覗き込んだ。


『どしたん?もしかかして呪いが痛むん?』


心配そうな表情を浮かべる梅に、灰鐘は笑みを浮かべてみせた。


「いや、何でもないからそんな顔するな。」


そう言って梅の頭を撫で、立ち上がった。


「狼牙の様子が気になるから私は行く……。
土方、さっきのことは他言無用だからな。」


「わかってる。」


それを聞いた灰鐘は満足そうに笑い、部屋を出て行った。


(参ったな……。
結構痛いぞ?)


と、内心困っていたが表には出さず、平気な顔で部屋に入った。


「あ。時雨!お帰り!!」


「ただいま……。」


部屋に入ると、崩れ落ちるように座った。


「うぅ……くっそ……。
本格的に痛み出した……。」


右の首筋を掴みうなだれる時雨を見て、狼牙はすぐに痣のせいだと気付いた。