幕末怪異聞録



考えていたことをずばり言い当てられ、灰鐘は目を丸くした。


「何があるか知らねえが――」

「迷惑はかけんよ。」


土方の言葉にかぶせ、笑顔で言い張った。


その様に一つの疑問を覚えた土方。


「それじゃあ私は行くから。」


「お、おう…。」


灰鐘の背中を見送る土方。


その背中は、焦りと不安が写っているように感じた。


(全く分からねえやつだ。)


土方も土方で特に気にするでもなく、考えないようにした。



と、そこに現れたのが黒い塊……


「犬っころじゃねえか…。
泥つけてねえだろうな?」


ギロリと睨まれた狼牙は尻尾を丸め、「つけてねえよ…。」と小さく言った。


「それより、時雨見たか?」


「あぁ?
あいつなら向こうに行ったが…。

何か起こるのか?」


「うーん…。大体は検討つくけど、詳しく言わないから分かんないんだよな…。」


狼牙は「ありがとな!」と礼を言ってかけていった。


(変な奴らだ…。)