幕末怪異聞録



話が長くなりそうだったため、縁側に座って様子を見ていた灰鐘。


(和解……したのか?)


疑問に思っていると、梅がこちらに向かって笑みを向けた。


『時雨。
もうええよ。』


「は?」


『部屋にある太刀であたしを斬っておくれやす。』


「何言ってんだよ。あれで斬ったらあんたは無になるってこと分かってるのか?」


眉間にしわを寄せ、怒りを露わにする灰鐘。


“成仏させたい”
と思うほど、知らぬ間に梅を気に入っていたのだ。


嫌だと言わんばかりにジッと梅を見るも、梅もまた然り。


(言って聞くような女じゃないよな……お梅は。)


そう思った灰鐘は視線を反らし、ため息を吐いた。


「明日だ。

明日が期限なんだ。それまで待ってろ。」


それを聞いた梅は花が咲いたように笑った。


『うん♪』


一方の灰鐘は疲れた表情をして部屋へと帰っていった。