幕末怪異聞録



「やっぱりな。」


気持ち悪いと言わんばかりに両腕をさする灰鐘。


「何で気付いた?」


「旅の中でああいう趣味の人とも出会ったからな。危険な目にもあった。」


遠い目をする灰鐘に、盗み聞きをしていた永倉が声をかけた。


「どんな目にあったんだよ。」


「ん?あんな事やこんな事だ。」


はぁ。とため息を吐く灰鐘は、「それじゃあな」と道場を出て行った。


その背中を見ていた一同は、苦笑いを見せた。


「あいつ、俺と歳同じの割に経験豊富だな……。」


「左之さん、それ言ったら時雨さんが可哀想になってくるよ。」


原田と藤堂の話に割って入ったのは斎藤と沖田だった。


「危ないな。色々と…。」


「そうだね。歳の割に若く見えるし。
時雨より、時雨に手を出した武田さんが斬られそうだよね。僕はそれはそれで面白くていいと思うけど。」


ケラケラ笑う沖田に永倉がため息を吐いた。


「まぁ、俺らだけでも注意して見ておこうぜ?」


こうして“時雨見守り隊”が結成したとかしないとか……(笑)