幕末怪異聞録



そんな灰鐘に気付いたのか軽く頭を下げた。


「いきなりすみませんでした。
私は五番組組長をしている武田観柳斎です。よろしく。」


「はい。私は灰鐘時雨です。よろしくお願いします。」


ぺこっと頭を下げる灰鐘をみた武田は、ニコッと笑った。


そして、灰鐘の肩に手を置いた。


「灰鐘君は本当に強いね。
隊士としてほしいくらいだよ。
ね?沖田君?」


「そうですね。」


沖田の返事を聞いた武田は終始にこにこしたままで、「それじゃあ」とその場を離れていった。


遠くに行ったのを確認した灰鐘は、原田に近寄り、声を潜めた。


「あの武田って人は男色なのか?」


「え゙?」


一発で武田の正体を見破ったことに、原田は面食らってしまった。


だが、咳払いをしてすぐに体裁を整えた。


「よく気づいたな。あの人はそうだ。」