幕末怪異聞録



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ガッ!!


ガッガッガッガッ!!



始まって少ししか経っていないが、二人は打ち合っていた。



『あの沖田さんと打ち合ってるよ…。』


『俺、あんなに保たない自信ある。』


隊士らが口々に言うのは、沖田との打ち合いで平隊士はすぐに打ちのめされるのだ。


組長の中で沖田といい試合をするのは、永倉と斎藤くらいなものだ。


そんな強者の沖田とほぼ互角に打ち合う灰鐘は凄いのだ。


「時雨さん、総司と打ち合ってるよ。」


「まぁ、総司のやつ本気じゃねぇしな。」


「左之、何見てんだよ。
時雨ちゃんも力抜いてやってんじゃねぇか。」


「…。」


組長らも独自の目で試合を見ている。


その間も続いている沖田と灰鐘の打ち合い。


(うわ~…。やっぱりこの人強いよ!)


やるんじゃなかったと試合中にもかかわらず後悔する灰鐘だった。