幕末怪異聞録



『てかあの人五尺しかねぇんじゃ…。』


その言葉が聞こえた瞬間ピタリと足を止めた。


急に足を止めた灰鐘に気付いた沖田は声をかけた。


「時雨?」


「――じゃない…。」


「え?」


上手く聞き取れなかった沖田が近付こうとしたら、灰鐘は顔を勢い良く上げ、声を荒げた。


「私は五尺じゃない!

五尺と“一寸”だっ!!」


「……そうなんだ…。」














「それでは始めます。」


審判をするのは斎藤一だった。


「両者礼!」


「「お願いします!」」


そしてお互いに構えると、一気に空気が張り詰め、空気だけて人が斬れそうだ。


実際、気に当てられて失神する隊士がちらほらいた。



「始め!」



戦いの火蓋が開かれたのだった――――……