「一昨日のあの時の身のこなし見たとき、是非手合わせ願いたいなと思ってね♪」
沖田はニコッと笑うが、灰鐘は試合なぞしたくなかった。
四日前、沖田に後ろを取られた時全く気付かなかったのだ。
(この私が気付かないなんて、結構な手練れだと思うんだよな…。)
「遠慮――」
「そう!時雨も試合したいの?
それじゃあ決まりだね!」
「はぁ!?勝手に決めんなよ!!」
灰鐘の言葉を遮り、嬉しそうに準備を始めてしまった。
「一旦休憩!」
そう言って、沖田は灰鐘の方に振り返った。
「時雨、竹刀と木刀どっちがいい?」
「木刀。」
それを聞いた隊士らは一気にざわついた。
沖田は新選組で一、二を争う剣豪である。
その沖田と細っこい灰鐘が試合するなんて信じられなかったのである。



