幕末怪異聞録



――――――――――――……



「―――…っれ…!

……ぐれっ!

時雨!!」



「――ん……。」


寝る時間が遅かったからか、灰鐘は日が完全に登ったにも関わらず寝ていた。


まだ眠いのかうっすらと目を開け、起こしに来た人を見ようとした。



「――……そーじ?」


そう言うとのっそり起き上がり、「うーん…」と伸びをした。


「おはよう。時雨♪」


「うん、おはよう。」



こんな長閑(ノドカ)な朝は久し振りだなぁ…。

なんて思っていた灰鐘だったが、すぐにそれが崩れた。



スパーン!


「テメェ!!この犬っころどうにかしやがれ!!
屯所内ドロドロじゃねぇか!」


突然部屋に入ってきたのは狼牙の首根っこを掴んで青筋立てた土方だった。


どうやら外で遊んでドロドロになった狼牙がそのままで部屋に戻ってしまったらしい。


それを聞いた灰鐘は盛大なため息をついたのだった。