すると、土方が眉間に皺を寄せ、疑問を吐き出した。
「腰の刀でお梅さんを浄化することはできねぇのか?」
「できないね。
お梅はまず、あやかしではなく霊なんだよ。
これは、人間と妖怪には影響を与えられるんだが、霊には効かないんだ。
だから、自力で成仏するか、この太刀で無にするか、どっちかなんだよ。」
「…。」
「ま、なるようになるさ。
心配すんなよ!」
そう言って明るく笑う灰鐘に斎藤が静かに口を開いた。
「一つ気になるんだが、あんた幕府に追われていると言ったな。
その件は大丈夫なのか?」
実に的確かつ遠まわしな言い方だと灰鐘は思った。
“大丈夫なのか?”
は、灰鐘を案ずるものではなく、新選組に危害がないのかと言う意味だった。



