「あ?
何でてめぇに名乗らなきゃならねぇんだよ!」




不機嫌そうに眉を潜める男に灰鐘は笑みを浮かべた。




「儂に仕事してほしいんだろ?
だったら名が知れた方がやりやすい。」




その言葉に二人は目を見開いた。



「何でそれがわかった…!?」



「何で…?

ふんっ!

愚問だな!この屯所はあやかしの気配が濃い。
あながち、昨日儂が斬ったのも隊士だったのではないのか?」



艶容に笑う灰鐘に男は口をひきつらせた。



そして、あの夜に最初に声をかけた、長い黒髪を持つ男が口を開いた。



「俺は副長の土方歳三だ。」



それを聞いたもう一人の、ニコニコしている男も口を聞いた。



「僕は一番組組長の沖田総司。
よろしくね♪」