幕末怪異聞録



程なくして土方の部屋に幹部が揃い、話し始めた。



「昨日話したように私は龍と人間の巫女の半妖だ。
そのため江戸で住んでいた村では畏れられていた。

今から三年前、その村は幕府の命により潰された。

裏で糸を引いていたのは西沢雅という鬼一族の男だ。
奴は幕府に
『あの村には龍と巫女の強い力を持った半妖の女がいる。このままでは江戸が潰されるかもしれないぞ?』
とあることないこと吹き込みやがったんだ。
それで夫も息子も……私以外皆死んでしまった…。

今も幕府に追われる身だが、西沢雅を殺してやるために此処まで来た。
まぁ、そんな所だ。」



そこまで言うと質問はないかと腕を組んだ。


「何故男装して“陽輝”と名乗った?」


土方がそう質問すると、灰鐘は寂しそうな目をした。



「“陽輝”は息子の名前。あの口調は夫の真似。
男装は―――」