翌々日―――……
「――こんなもんかな?」
時雨は少ない荷物をまとめ、それを背負った。
近藤たちと大坂について行くところであった。
玄関に向かうと沖田らが既に集まっていた。
「すまない、私が最後のようだな。」
慌てて草鞋を履こうとしたら沖田に腕を掴まれた。
不思議に思った時雨は顔を上げると沖田は真剣な顔をしていた。
「どうした総司。そうやってたら草鞋が履けないだろう?」
そういうと手を放し、総司は自分の荷物から自分の脇差しを出し時雨の前に出した。
それを見た時雨は戸惑った表情を見せた。
「時雨、この前はごめん。自分の不甲斐なさを時雨の所為にして…。だから、時雨には僕の代わりに僕の脇差しを持ってここに残ってくれないかな?僕の魂だけでもこの場所に置いといてほしい。」
「しかし……。」
困り果てている時雨を見兼ねた原田が沖田から脇差しを取り上げ時雨に押し付けた。
「ちょっ……左之……!」
「総司がお前を信じて武士の魂を託そうってんだ、受け取ってやれよ。」
なっ!と笑う原田に時雨もまた笑いかけた。
「何勝手なこと言ってんだ。」
そんな三人に水を挿したのは土方だった。
「時雨にも一緒に大坂に行ってもらうつもりだ。」
そう言った土方に沖田は頬を膨らませた。



