伊東に気を取られていた御陵衛士は一瞬遅れを取った。
「———っ!!新選組だ!!」
「——っらぁ!!」
斬られる!そう思った時……
ガキン!!
「気を抜くんじゃねぇ!!」
「と、藤堂さん!」
新選組の刀を受け止めたのは、元新選組八番組組長の藤堂平助だった。
「やっぱ来やがったか……。」
離れたところにいた永倉は、藤堂を見た瞬間苦虫を潰した様な顔をした。
原田も複雑そうな表情を浮かべていた。
二人共心の何処かで「平助は新選組に帰ってくるんじゃないのか。」そう思っていたのだ。
こうして刃を交えている姿を目にすると新選組に心残りはなく、御陵衛士に完全に身を置いていることが分かる。
だが、例え藤堂が自分らを敵視しようが、逃がしてやろうと思っていた。
永倉は他の御陵衛士を斬りながら藤堂に近づいた。
「平助!」
「——新ぱっつぁん……。」
藤堂は些か罰の悪そうな表情を見せたが、永倉は気にもせず続けた。
「平助、お前は逃げろ。」
「——!?」
藤堂は戸惑った表情を永倉に向けたのだった。



