幕末怪異聞録



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「ーーてか遠い!」


「黙れ狼牙!」


女将に聞いたところ、此処からずっと西だと言われ地図を書いてもらった。


普通に歩けば半刻はかかると言われてしまったのだ。


日が暮れ、すでに半刻以上経っており、時間がなかった。


狼牙に乗って空から行けばある程度速く行けるが、まだ人が多く外におり、そのような目立つ真似はできなかった。


なので、二人は走っている最中である。(ちなみにコンは狼牙の背中にしがみ付いている。)


「これ間に合うか?」


「間に合わすんだよ!」


と、言ったものの間に合わないかもしれないと思っていた。


(ーーなーんか嫌な予感がするんだよな……。)


走りつつもうーんと考え込む時雨。


『どうしたの?』


時雨の顔をジッと見つめるコンに時雨は少し微笑んだ。


「何でもないよ。」


やはり疑う事が身に付いてしまっているなと感じる時雨だった。