「ーーまず、情報を集めないといけねぇだろ?龍馬が京にいるのかどうかも調べなきゃならない。そこで、私の式神を飛ばして情報を集める。」
「なるほどな~……。で?何処に向かってるわけ?」
「ん?宿。」
「はぁ!?」
友が暗殺されるかもすれないと言うのに、時雨は宿に帰ると言い出した。
流石の狼牙も呆れてしまった。
「時雨、坂本の一大事かもしれないんだぞ!?それなのに何故呑気に宿に帰らねぇといけないんだよ!!」
ガーッ!と怒鳴った狼牙だが、煩かったのか鬱陶しかったのか、時雨は眉間に皺を寄せ、思いっきり狼牙を睨んだ。
「ピーピーうるせぇやつだな。大体てめぇ、いつから私にそんなでかい口叩ける程偉くなったんだ?犬鍋にされたくなかったら黙ってついて来い。」
「……はい…。」
まさに傍若無人。
コンは本能で、時雨には逆らってはいけないと感じた……。
「それに、こんな街中で大量の式神が急に集まって来たら周りの人らが驚くだろう?」
「まぁ……。確かにそうだけど……。」
おどろおどろしくついて来る狼牙に時雨は、呆れにも近いため息をつき、少し笑った。
「もうすぐ宿に着く。はぐれるなよ?」
笑顔を向けられたのが嬉しかったのか、狼牙は花が咲いたようにパッと笑顔になった。
「うん!」
犬の姿であれば、尻尾を振っているのを見れたかもしれない。
そんな二人を見ていたコンは『変な奴らだ。』と思ったのだった。



