幕末怪異聞録




甘味屋に入った三人は、団子を食べていた。


「ーーうん!此処の団子はなかなか美味いな!」


『うん。』


頬を弛めて団子を頬張るコンはどこからどうみても子どもであった。


(でも子ども扱いしたら怒るから言わないでおくか。)


子どもを見るとつい陽輝と重ね合わせてしまう時雨。


(ーー陽輝……。)


「って、時雨。ただ団子食べに来ただけじゃねぇだろ!!」


「あ。そうだった。」


狼牙の言葉で我に返った時雨は、コンに顔を向けた。


「コンや。私に用があるんだったな。何だったんだ?」


皆目検討がつかなかった。

人間との繋がりを殆ど断ち切っていたからだ。


コンはゴクリと団子を飲み込むと、とんでもないことを口にしたのだ。



『ーーー坂本龍馬が暗殺されるんだ!』



「ーー!?!?」


「暗さーーー!!!」


叫びそうになる狼牙の口を手で押さえつけた時雨だったが、彼女も動揺が隠せず、
ゲホゲホと飲んでいたお茶でむせてしまったのだ。


たちの悪い嘘でもついているのかとコンの目をジッと見るが、嘘をついている感じは受けなかった。


時雨は頭をかいた。


「ーーー詳しく聞かせろ……。」