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慶応三年――……





時は流れることを止めず、ただただ流れてゆく


池田屋事件、禁門の変から三年の月日が流れた。


幕府から追われ、長州から追われ、何かとついていない時雨であったが、仇はとれた。


所期の目的は果たすことができた。


そのため江戸にある実母の家に戻っていたのである。


三年という月日は、時雨の心と身体を十分に癒したのだ。


この先も穏やかな日々を過ごせる。

そう信じてやまなかった時雨だが、どうにも時雨という人物は運命に翻弄される。


そんな人生を再び歩むこととなるなど、微塵も感じていなかったのだ――――――………