幕末怪異聞録




外に出た時雨は、ピョンッと屋根に登った。


「えぇ!?時雨、君怪我してたんじゃないの!?」


元気良く屋根に登っていく様を目の当たりにした沖田は自分の目を疑った。


「あぁ。怪我してる。
実際痛い。」


「馬鹿じゃないの!?」


スリスリと傷口をさする時雨に沖田は呆れるばかりだ。そんな沖田を気にすりこともなく、時雨は口を開いた。


「総司、大変だ。京の街に火が上がっている。」


「えっ!?」


沖田は慌てて倉から梯子を持ってきて屋根に登った。

そこで目にしたのは――…



「――うわっ…。どんどん火が上がってる……。」


火に飲まれる京の都だった。


「こりゃ江戸の大火事並みに燃えるんじゃないか?」


「しかしまた何で……。」