(確か、桂とか言う男が言っていたな…。結局説得は失敗したんだろうな。)
あえて触れなかったが、実は外で大砲の音がドンパチ聞こえてくるのだ。
「全く、人の安眠を妨害しやがって、いい迷惑だ!」
フンッと鼻息を荒くするが、沖田はブッと吹き出した。
「明け九つ(12時頃)まで寝ていたのはどこの誰だよ。」
「むぅ……。って、あれ?」
「ん?どうしたの?」
冗談を言っていた時雨が何かに気付いたようだ。
「―――そう言えば狼牙は?」
「……。」
あんなにいつもしつこく追いかけ回されているのに、いないことになかなか気づいてもらえなかった狼牙。
少し可哀想だ……。
「狼牙なら時雨を送った後、近藤さんの所に戻ったよ。鬼さんが事を説明しろって睨まれたって怯えながら戻ってったからね。」
沖田の説明を聞いた時雨は、光景が想像できたのか軽く苦笑いをした。



