(そういえば私、腹の肉えぐられたんだっけ?)
思い出したかのように時雨は自分の左腹をそっと触った。
(うん……。やっぱない……。だけど女でよかったよなー。無駄な肉のお陰で内臓は無事だったし。)
いつもは疎ましいと思う脂肪に今回は助けられた時雨は、もっと食っときゃよかったのか?と内心ボケていた。
つい数刻前まで生死の淵にいた奴の考えることではない。
そうしていると再びバタバタと足音が聞こえてきた。
「時雨!おむすび!」
バッと部屋に入ってきた沖田は単語しか発せず、その手には皿と湯飲みがあった。
が、
「―――それが……おむすび…?」
どうやら、とてもじゃないがおむすびと呼べた物がそこに乗っていたようだ。(想像はお任せする。)
「いや、見た目じゃないよ!」
と、言われてしぶしぶ口に運ぶも、お世辞に旨いと口が裂けても言えなかった。



