こうして応急手当をしたあと狼牙に運ばれ再び新選組屯所に舞い戻り、手当てをされた時雨。
完全な妖怪となっていたのが幸いし、次の日の昼には起き上がるほどに回復をしていた。
「―――腹減った。」
むくっと起き上がり、時雨は空腹を満たすべく誰かいないか探した。
しかし、いつもうるさい屯所は静まり返っていた。
(誰もいないのか……?)
そんなことを考えながら歩いていると、近くの部屋で人の気配を感じた。
「誰かいるのか?」
そんな時雨の声に、部屋の主はバタバタと急いで部屋から出てきた。
「時雨起きたの!?」
「ああ。腹が減った。」
「よかったー!」
微妙にズレた会話をしている相手は沖田だった。
沖田は時雨を部屋に通し「座って待ってて!」と言って、走って勝手場に向かい食べ物を取りに行った。



