幕末怪異聞録




ドサッ!!


着地するとその反動で時雨が力なくずり落ちた。


「―――っ……!
どこが痛いのかわかんねぇや……。」


満身創痍な時雨は落ちた衝撃が痛いのか、落ちた衝撃で痛いのか分からなくなっていた。


「時雨、脱げ!!」


「厭(イヤ)らしく聞こえるぞ?」


「あんたは馬鹿か!!」


茶化す時雨だが、ゴプッと血を吐いた。


「――うげ……。口が鉄の味……。」


「んなこと言ってる場合か!!」



ジャリッ……!



「――!?」


人が近くまで来ていることに気付かなかった二人は、一気に身体を強ばらせた。



「―――テメェら何やってんだ。」


「―――ひ、土方さーん!!」


そこに現れたのはなんと土方だった。

心細かったのか狼牙は半泣きで土方に抱き付いた。


が、


ゴツン!


案の定鉄拳を食らった。