―――――――――――……
「大丈夫か?時雨ぇ……。」
「――男が……情けねぇ声だしてんじゃねぇ……。」
狼牙の背に乗っている時雨はぐったりとうつ伏せになって左腹を押さえながら肩でゼイゼイ息をしていた。
「――狼牙、お前の背中血まみれにしちまって悪いな……。」
「そんなことで謝るなよ!血なんて洗えば落ちるんだからさ!」
「……。」
「……時雨?大丈夫か!?時雨!!」
「……るさい……。」
「よかった生きてる!」
とりあえず安心した狼牙だが、時雨の声はか細く弱々しかった。
三年間共に旅をしてきたが、ここまで弱った時雨を見たのは初めてだった。
(ここまで来たら流石に長州も来ないだろう。とりあえず降りて手当てをしないと!)
時雨の怪我が気になった狼牙は近くの河辺に降りた。



