幕末怪異聞録



時雨はフラフラしながら立ち上がった。


「――ハァ…。やっと死にやがったか……。」


脇差しを取り、そのまま自分のだった肉に突き立てた。


「ハッ……!!」


ボワッ!!


「――!?」


「わお……!時雨、大魔王みたい。」


力の制御ができなかったのか、自分の肉を処理するのに大きな炎が上がった。


――チン……。


「――行くぞ、狼牙。」


そう言って去ろうとした最中――



「貴様ら何者!?」


「――チッ……。長州か…。」


厄介だと言わんばかりに時雨は舌打ちをした。


「黄金色の長髪……。お前、西沢さんが言っていた妖怪だな!?」


(――成る程な……。西沢の野郎、めんどくせぇ置き土産置いてきやがって!!)


瞬時に状況を理解した時雨は狼牙に声をかけた。


「デカくなれ!面かるぞ!!」


「お、おう!」


「貴様ら待て!!」


時雨は狼牙の背に乗りその場を後にしたのだった。