幕末怪異聞録



「その姿―――!!」


『光栄に思えよ?俺様の真の姿が拝めるなんてな!!』


ガキン!!


「――!!」


時雨は押し負け、後ろに数歩よろめいた。


「――時雨ッ!」


狼牙の声が聞こえた…。そう思った瞬間、視界がぐるんっと回り空を見上げていた。


ザシュッ!!


「グアァッ!」


そして間髪入れず、左肩に激痛が生じたのだ。


西沢が時雨の左肩を差し、串刺し状態になっているのだ。


『では、貴様の肉を頂戴する。』


左腹の着物を裂き、時雨の左腹に手をかけた。


「――ア゙ァァッ!!」


削ぎ取った肉を手に、西沢はゆっくりと刀を時雨から抜き、離れた。


「――ックソ……!西沢……。貴様…!」


息荒々に、時雨は西沢を睨んだ。

それを楽しんでるかのように西沢は笑みを浮かべていた。