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「そこで何をしている。」




血海に立つその人に声をかけるは浅葱色の羽織りに身を包み、漆黒の長い髪を一つに結い上げている新選組の者だった。




「…。」




「口を開かぬか、この不届き者めが!」



口を開こうとしないこの者にイラついたのか、後ろに控えていた新選組隊士は抜刀し、切りかかった。



「――っ!

ちょっ…!
儂はあんたらに敵対される筋合いはないぞ!?」



ひらりと交わし、逃げようとした。



カチャリ…。



しかし、それは叶わなかった。




「残念ながら僕らは君を敵対する理由があるんだよねー。」



背後に向けられる刀の気配に身を固めた。